ゼロカットとは、ロスカットが間に合わなかった場合でも、残高がゼロになることを防ぐシステムのこと。海外FXではほとんどの業者がゼロカット制度を採用しています。
ゼロカットは、海外FXならではのメリットとなり、国内FXにはないロスカットの制度です。
なぜ、海外FXではゼロカットが可能なのか、ゼロカットはどういう仕組みで残高がゼロになるのか、疑問に思う方も多いでしょう。
今回は、海外FXのゼロカットの仕組みやメリット・デメリットについて解明していきます。どうぞ、参考にしてみて下さい。

海外FXでは、ゼロカット制度が採用されていることが大きなメリットとなっています。ゼロカットは、国内FXにはない海外FX特有の制度なので知らない方も多いですよね。
そもそもゼロカットとは、どういうことなのでしょうか。
ゼロカットとは、
万が一、急激な為替変動にてロスカットが間に合わずに、残高がマイナスになったとしても、残高ゼロで相殺されるシステムのことをいいます。
何らかの要因でレートが暴落・高騰した時には、数秒~2,3分程度のわずか時間でもかなり大きな値動きが生じてしまいます。ロスカットが作動したとしても、間に合わずに残高がマイナスになる可能性があるのです。
そのような緊急時でも、ゼロカットにて「残高ゼロで保証します」というのか、海外FXのゼロカット・システムなのです。
ちなみにロスカットは、含み損がそれ以上拡大しないように自動的に強制決済するFXのシステムです。
FXのように、レバレッジをかけて資金以上の取引きをする商品には、原則として国を問わず「ロスカット」を作動させることが金融サービス業者の義務となっています。
ロスカット基準
ロスカットになる基準は、FX業者ごとに異なり、国内と海外では基準に差があります。
- 海外FX → 証拠金維持率20%が平均的
- 国内FX → 証拠金維持率100%が平均的

ゼロカット以外にもハイレバレッジなど、海外FXにしかないメリットがいくつかあります。海外FXのメリット・デメリットはこちから。


マイナスになった残高がゼロに戻るゼロカットの仕組みは、
海外FX業者がマイナス分の金額を補填してくれることで、マイナスが相殺されることとになります。
つまり、海外FX業者が投資家が出したマイナス額を負担してくれているのです。
国内FXの場合は、ロスカットが間に合わずにマイナス残高となってしまった時は、マイナス額は投資家の負債となりFX業者に返済しなければなりません。
海外FXではゼロカットがあるため、損失のリスクはあっても借金を作る心配がないということなのです。
ロスカットされた直後は、残高がマイナスで表示されています。ここで慌てる投資家もいるかもしれませんが、数分~10分程度待っていると残高が相殺されてゼロに戻る仕組みになっています。
口座残高がマイナスからゼロに戻るのを見て、ほっと安堵する投資家も少なくありません。
損失で資金を失っただけでなく、さらに借金を作ってしまったとなればかなりの打撃です。とくに海外FXの場合は、普通に100倍200倍程度のハイレバレッジで取引する投資家が多いため、わずか数秒での損失も大きくなりがちです。
しかし、ゼロカットがあるため海外FXのハイレバレッジ取引でもリスクが低減できるのです。
ゼロカットはもちろん大きなメリットとなりますが、デメリットの側面もあるので確認しておきましょう。
ゼロカット制度によって、どんなに残高がマイナスになったとしても、借金を負う心配がありません。ハイレバレッジで積極的にトレードに取り組むことができます。
また、口座にある資金のみがダメージを受けるので、リスク管理しやすいこともメリットです。
安心しすぎて、ついハイレバレッジのギャンブルトレードに走ってしまうことが、ゼロカットのデメリットです。資金がなくなったにも関わらず、ゼロで済んだと資金感覚がマヒしてしまう傾向にあります。
本来なら、ロスカットに合う前に対策をとるべきなのです。
ゼロカットのマイナス分は、海外F業者がすべて負担する仕組みなっています。負担額が大きくなりすぎると、経営破綻のリスクがあります。
なぜ、海外FX業者は経営破綻のリスクがあるにもかかわらず、ゼロカット制度を導入しているのでしょうか。考えられる理由は2つあります。
ゼロカットを導入する理由1.
海外FXでゼロカットが導入されている理由の1つは、集客と顧客維持です。海外FXの魅力はハイレバレッジ。日本だけでなく様々な国の投資家たちがハイレバレッジに魅せられて、海外FX業者を利用しています。
しかし、いくらハイレバレッジがかけれるといっても、マイナス残高のリスクがあれば誰も手を出しませんよね。そこで、海外FXでは「ハイレバレッジ + ゼロカット」にて魅力を強調しているのです。
ゼロカットを導入する理由 2.
もう1つの理由は、海外FX業者の収益源がスプレッドとスワップにあることです。ゼロカット効果でハイレバレッジの取引量が増えれば、海外FX業者の収益も増えていきます。
実際に残高がマイナスになるような事態はそう頻繁には起こりません。万が一の負担額よりも、積極的なトレードで得られる収益の方が大きいからです。
では、なぜ国内FXではゼロカット制度がないのでしょうか。
答えは簡単です。損失の補填は、国内では「金融商品取引法」にて禁止行為とされているからなのです。
顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する行為(損失補塡等の禁止)をしてはならない。
と法律で定められているため、国内FXではゼロカット制度がないのです。

海外FXのゼロカットは投資家にとって安全な制度となりますが、ゼロカットがない国内FXでは実際にどうなのでしょう。
これまでに、ロスカットが間に合わずに借金をつくった投資家はいるのでしょうか。
確かに、ロスカットが間に合わないほどの為替変動はそう頻繁にはありません。しかし、実際に過去には1、2年に1回のペースで劇的な暴落があり、多大な借金をつくった投資家が続出しているのです。
最後に、国内FXのロスカットでマイナス残高が出た事例をいくつか見ていきます。
2015年スイスフランショック

2015年1月15日に、スイス国立銀行はスイスフランの上限を廃止することを発表。直後にスイスフランが高騰したため、EURCHFはわずか1分で1600pipsも暴落しました。
ある投資家は強制ロスカットにて673万円の損失、加えて317万円のマイナス残高による借金が残ったとのこと。
2019年 フラッシュクラッシュ(米ドル暴落)

2019年1月3日にはアップルの株価暴落を機に、わずか5分でUSDJPYは4円程度暴落しました。1アップルショックまたはフラッシュクラッシュと呼ばれている歴史的なドル暴落の局面です。マイナス残高が発生した口座数は個人投資家のみで5758件でした。
DIAMOND ONLINEでは、この日に15分間で2,000万円を失った投資家の記事が公開されています。
参照:DIAMOND ONLINE たった15分間で2,000万円消滅

金融先物取引業協会では、毎月のロスカット未収金発生口座(マイナス残高)の統計を発表しています。思った以上にロスカットが間に合わないケースは多いのです。参考にチェックしておいて下さい。

海外FXはリスクが高い、時には非常に危険だとすら注意する人もいます。ハイレバレッジを提供する海外FX業者がハイリスクなのは否めません。しかし、よく考えてみると、いざという時のリスクは国内FXの方が高いのです。
海外FXでは、損失のリスクこそあれマイナス残高による負債のリスクはゼロです。
国内FXでは、万が一ロスカットが間に合わなかったとすれば、損失プラス借金でその後の人生真っ暗です。
資金管理やリスク管理を徹底するならば、考え方次第では、もしかすると海外FXの方が安心・安全に取引できるのかもしれないですね。
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