海外FXでも利益が一定以上になれば、確定申告をして税金を払う必要があります。海外FXの税金で勘違いしやすいのが、国内FXと同じ方法で計算してしまうことです。
海外FXの税金は仕組みや税率・計算方法が国内FXとは異なります。
国内FXの税金とはどのような点が違うのか、海外FXの税金の仕組みをわかりやすく解説していきます。どうぞ、この機会に確認しておいて下さい。
海外FXの税金は国内FXとは違う?

まずは、簡単に海外FXと国内FXの税金の違いを、一覧表で見てみましょう。
税金 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
課税対象 | ・給与所得者は海外FXで20万円以上 ・給与食者以外は総所得が48万円以上 | ・給与所得者は海外FXで20万円以上 ・給与食者以外は総所得が48万円以上 |
所得区分 | 総合課税の雑所得 | 申告分離課税の雑所得 |
税率 | 所得額に応じて5%~45% | 一律で20.315% |
住民税 | 課税所得額 × 10% | 申告分離課税に込み |
復興特別所得税 | 所得税 × 2.1% | 申告分離課税に込み |
損益通算 | 雑所得内であれば可能 | 申告分離課税内でのみ可能 |
損失の繰越 | 原則としてできない | 3年間の繰越が可能(要申告) |
課税対象以外は、海外FXの税金は国内FXの税金とは異なるのですね。各項目を国内FXと比較しながら詳しく解説していきます。
海外FXの税金はいくらからかかる?
いくらから税金がかかるのかは、海外FXも国内FXも同じです。
給与所得があるかどうかによって、課税対象となる海外FXの利益額が異なります。
→海外FXの利益が20万円以上
会社員、派遣社員、フリーター、パート、アルバイトなど毎月給料をもラっている場合は、海外FXの利益が20万円以上になると税金がかかります。
→海外FXを含めた総所得額20万円以上
個人事業主、専業トレーダー、学生、主婦などで給料をもらっていない場合は、海外FXを含めたすべての所得が48万円以上になると税金がかかります。
海外FXの税金は何税?
- 海外FXの税金 → 総合課税の雑所得
- 国内FXの税金 → 申告分離課税の雑所得
海外FXの税金は総合課税の雑所得となります。海外FXの利益と給与所得・事業所得・不動産所得・その他雑所得など全てを合算して計算します。
国内FXの税金は申告分離課税の雑所得なり海外FXとは異なります。
総合課税とは、給与所得や不動産所得など、該当する所得をすべて合算した金額に課税される税金です。
参照:国税庁 総合課税制度
申告分離課税とは、国内FXや先物、株式のようにその他の所得とは分けて課税される税金です。
参照:国税庁 申告分離課税制度
海外FXの税率は何%になる?
- 海外FXの税率 → 累進課税の税率で所得に応じて異なる
- 国内FXの税率 → 一律で20.315%
累進課税の税率

国内FXの場合は、所得額にかかわらず一律で20.315%の税率となります。
海外FXの税金は、総所得額の金額によって税率が変わるのです。所得が少ない場合は最小で5.0%、所得が多くなるにつれ、最大で45%まで税率が高くなります。つまり、海外FXで稼げば稼ぐほど税率が高くなる仕組みになっているのです。。
海外FXで住民税・復興特別所得税はどうなる?
- 海外FXの住民税・復興特別所得税 → それぞれ別で課される
- 国内FXの住民税・復興特別所得税 → 20.315%に込み
国内FXの税金では、分離課税の税率20.315%に住民税も復興特別所得税も込みなっています。
海外FXの場合は、所得税以外にも、住民税・復興特別所得税は所得税とは別で計算しなければなりません。
住民税は、「課税所得額 × 10.0%(地域による)」で課税されます。
復興特別所得税は、「所得税 × 2.1%」で課税されます。
海外FXは損益通算できる?
- 海外FX → 雑所得の範囲で損益通算できる
- 国内FX → 先物商品の範囲で損益通算できる
国内FXの損失額は、「先物取引等にかかる雑所得」に分類されています。先物、オプションなどその他の先物商品のみ損益通算が可能です。
海外FXの損失額は、雑所得であれば損益通算が可能です。例えば、オークションやネット通販、仮想通貨などその他の雑所得の利益を相殺することができます。
海外FXは損益繰越しはできる?
- 海外FX → 損益繰越しは原則できない(例外もあり)
- 国内FX → 3年間の損益繰越ができる
国内FXでは、損失額を確定申告しておけば、向こう3年間の損益繰越が可能です。3年間に利益が出た場合に相殺することができます。
海外FXでは、原則として損益繰越はできません。ただし、例外があって、海外FXを事業所得としていて青色申告をしている場合は繰越が可能です。
海外FXなら無申告でもばれない?
- 海外FXの無申告 → ばれる可能性がある
- 国内FXの無申告 → ばれる可能性が高い
国内FXでは、口座開設の際にマイナンバーの提出が義務づけられています。マイナンバーなしで、国内FXを利用することができません。つまり、国内FXで利益が出ているとすれば、国税庁につつぬけ状態なのです。無申告はばれる可能性が非常に高いといえます。
海外FXの場合も同様にばれる可能性は十分にあります。マイナンバーの提出は必要ありませんので、確かに、国税庁はすべての利用者を把握するのは困難です。しかし、各国との租税条約によって、海外の金融サービス関連のデータは調査できるようになっています。何かをきっかけにばれる可能性があり、無申告のペナルティを考えればリスクは高すぎるといえます。
無申告がバレた場合は、本来払うべき税金よりも多額の税金がかかってしまいます。海外FXならと、軽視しないできちんと税金を納めるように注意して下さい。
海外FXの税金を計算する方法と手順

それでは次に、海外FXの税金を計算する手順・計算方法を見ていきます。
海外FX税金の計算 4つのステップ
1.海外FXの所得額を計算する
海外FXの利益 - 必要経費 = 海外FX所得 → 20万円以上は確定申告
海外FXの売却益とスワップが利益の対象です。
通信費、PC・スマホ、書籍、情報サービス、メルマガ、経済関連の新聞、衛星放送、TVチャンネル、海外FXの各種サービス、文房具、セミナーの会費・交通費・飲食代、借入金の利息、家賃・光熱費・冷暖房機など
※プライベートでも払う支出は、各自のトレード総時間量に応じて、一部を経費とすることができます。
2.総所得額を計算する
- 給与所得
- 事業所得
- 不動産所得
- 雑所得(海外FX)
総合課税に該当するすべての所得額の合計を計算します。
給与所得 + 不動産所得 + 雑所得(海外FX) = 総所得額
3.所得税を計算する
国税庁の税率表を見て、該当する税率を調べて税額を計算します。
課税所得額 × 税率 ₋ 所得控除 = 所得税
所得税 ₋ 各種控除額 = 所得税の納税額
さらに、所得税から各種控除額を差し引いた金額が所得税の納税額です。
4.住民税・復興特別所得税を計算する
課税所得額 × 10.0% = 住民税
所得税 × 2.1% = 復興特別所得税
住民税は、自治体ごとに計算方法・税率が若干異なります。概ねで10.0%ぐらいだと思っておいて下さい。
さて、これで海外FXの税金が計算できました。後は、確定申告の期限内に申告書を提出するだけです。確定申告は、国税のオンライン申告サイト「e-Tax」がおすすめです。
まとめ

海外FXの税金は、いかに必要経費を計上するかによって大きな差が出てきます。
必要経費にできるものは、一般的な通念で見てFXトレードに必要だとされるものです。加えて、それぞれでFXトレードに必要だと思うものも、事実に基づいて経費にすることが可能です。
意外と経費になるのに見過ごしてしまうものも多々あります。FXとの関連性を改めて吟味することによって、思いがけない出費が経費にできる場合もあります。必要経費を1つも見逃さずにしっかり計上するようにしましょう。
また、海外FXの税金を申告するなら、青色申告が断然にお得です。青色申告なら、最大で65万円の所得控除を得ることができます。65万円も控除できれば助かりますよね。ぜひ、確定申告する際には検討してみて下さい。
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